日常のこと


by a7617

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だから荒野 桐野夏生 著 

毎日新聞に連載になっていたころ拾い読みをしてこの小説に興味を持った。
単行本として出されたので読んでみました。

2015年1月11日~3月1日 迄 全8回で NHKでドラマ放映されます。

口ばかりで威張り散らす夫、浩光。
調子者で母親をコケにする長男。
親に「死ねや」と言い放つゲーム三昧の二男。
それぞれが好き勝手な事をしている救いようの無い家族。
母である朋美は、46歳の誕生日にその家庭を捨てる。
家族で使っている車で一人あてのない旅を始める。
ずっと専業主婦だった朋美の、一人の旅は危なっかしいが爽快である。
一人で入ったレストランでカレーを食べながら、朋美が涙を流しながら実感する自由、
読んでいて「ソウダ、ソウダ」とうなずいてしまう。
ずっと妻を見下してきた夫は事の重大さを認識できづに、真剣に妻を探そうともしない。
好き勝手に過ごしてきた息子たちも、母親が居なくなっても困ることもない。
母親とは親とはなんだろうと空しくなる。

読み進むにつれて逃亡の爽快は不安にとってかわる、「帰ったほうが良いのに」とおもった。
車を持ち逃げされながら、途中で出会った奇妙な老人山岡のもとに身を寄せる。
だんだん、朋美も浩光も現実味を持ってこの二人が、私自身の身近に感じられるようになる。

絡まった糸をほどくような面倒が嫌いで、無自覚に誰かのせいにして、
与える事より与えられることを欲する、読んでいる私はこれは自分自身
だと嫌でも向き合わされる。

終わりは予想外だった。
ハッピーエンドか、それとも暗闇かと、期待を持って読みましたが意外でした。
これまでに提起された問題は、どれ解決する事なく、終わってしまいました。
がっかりしたというか、ほっとしたというか。

使命と信じる事を遣りぬく山岡老人の言う人生が「荒野」と言う言葉。
私たちにとっても日常が、生きていくこと事そのものが「荒野」を行くという事ではないでしょうか。


だから荒野 桐野夏生 著 _d0031171_9291981.png

by a7617 | 2014-10-12 09:20