日常のこと


by a7617

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本 「どん底」   高山文彦・著

被差別部落の実際に在った話です。
福岡県八女地方の町で起きました。
被差別部落出身の町役場嘱託職員の職業を剥奪しようとする、おぞましい差別葉書が四十四通も届き
町中が大騒ぎ大混乱となる。
結果逮捕されたのは、なんと被害者本人だった。
逮捕されるまで男は差別と戦う悲劇のヒーローを演じ、講演会や研修会に出向いて涙を流し講演をし
荒稼ぎしていた。
彼を信じて救おうとして奔走した部落解放同盟や周囲の人々の行動を追っています。
何が彼の中にこのような魔物の心を育ててしまったのか。
男は差別を恐れて結婚を機に名字を変えるがしかし、先人たちが壮絶な解放運動の末に勝ち取った町営住宅に住みたくて集落を離れないと言う二重性のなかでいきた人間である。
逮捕されてから男は白を切る。差別葉書を受け取れば解放同盟が守ってくれるだろう。
不安定な職位を改善したかっただけだと、他意はなかったと。
解放運動の性質と恩恵を悪用した計算ずくの自作自演だった。
住民たちの心はどん底に突き落とされる。
必死で男を守ろうとした清々しい心を裏切られた悲しみ。
自分たちにも非があったのではないかと言う自責の思い。
そして、本書に出てくる数々の被差別の悲しい話。
私は仕事柄、大阪、尼崎、岡山、彦根、等々に行き沢山の知り合いが出来、ここには載せられない被差別部落の話を嫌と言うほど聞かされました。
いまになってみればあの数々の友人や知り合いから聞いた話は本当だったのだろうかと思ってしまった。

最後に本書 378P
人間とはなんなのだろうか、今更ながらに問いかけてみる。
人間とは天使でもなければ獣でもない、しかし不幸なことに人間は天使の様に行動しようと欲しながら獣のように行動する。
と、パスカルは「パンセ」で言っている。
私は山岡一郎(自作自演の手紙を書いた男)のような物静かな恐ろしい獣を見たことが無い。

秀作ですぜひ読んでみてください。

本 「どん底」   高山文彦・著_d0031171_2318866.jpg







明治大学生田キャンバス構内にある「植村直巳」さんの顕彰碑。

本 「どん底」   高山文彦・著_d0031171_167566.jpg

by a7617 | 2012-09-17 16:00